2011年12月05日

第12回教養講座:「仕事との出会い方とその続け方」 〜就労支援カウンセリング事例と就活川柳・一人百句から考える〜(要旨)

第12回教養講座:2011年10月29日
仕事との出会い方とその続け方」

〜就労支援カウンセリング事例と就活川柳・一人百句から考える〜

 小林源 産業カウンセラー、LEC東京リーガルマインド大学教授

1.   話の前提

やや奇妙な表現とサブタイトルかも知れないが,体系的,論理的,いわんやアカデミズムとはほど遠い筆者の仕事からは,こんなタイトルしか選べなかった。しかし通算すれば8年余りに及び,かつ今なお継続中の東京都内2区で行なう,就労支援のためのカウンセリング事例は,1000人を超え,生々しくも身に迫るものばかりだ。研究室にいては想像もつかない,現実を知ることができ,事後に行なう無記名のアンケートの集積からは,仕事を求め,これを続けることへの尽きない悩みが,正確に読みとれる。この貴重な経験からしか得られない話を紹介しようと思ったのである。ちなみに来談者は,当該区に在住か,在職か,在学する人たちに限られ,150分。予約制で,無料である。いわば,区民に対する就活支援事業である。

 

2.   サブタイトルについて

前述のように,現実を映す山のような事例と,その傾向を示すアンケートとその順位は,極めて確かなものとして手元にある。しかしこの事態を一部始終伝えるとなると,なまじの時間と労力では果たせない。加えて,適職とは,適性とは,等の各論から始めたら紙数は尽きまい。そこで窮余の果てに気づいたのが,アンケートの悩み上位10項目への対応を川柳にして表現することだった。項目ごとに17文字に要約できるし,多少面白おかしく表現できれば聞き易く,納得もして貰えようかと思った。今回はアンケートを上位10項目に絞ったが,川柳そのものは100句ある。一人で100句つくったから「一人百句」となる。

 

3.   事例と川柳の関係

一例を挙げよう。一定期間ごとにアンケートを集計して,常に圧倒的トップになるのが,自分の適職が分らない,の悩みである。この常勝トップ項目となる回答には,世の中には自分にとっての適職がある筈で,それをどう探していいか分らない,との考えが透けて見える。結論を急ぐと,要はこれが間違っている,ということに気づいて貰う必要があることである。換言すれば,仮に適職というものがあって,皆が皆これを追い求めたら人がイヤがる仕事,危険で汚くて環境が劣悪だが社会に不可欠な仕事は,一体誰がやるのかという根源的な問題に出くわすことにもなる。繰り返すが,適職はあると思ってはいけないのである。にも拘らず,適職を求めて大学卒業後5年,10年はたまた30年も,未だ定職を決められずに相談に来る人が珍しくない。こうした事例,類似の相談に出会うと次ぎのような川柳を発句したくなるのである。即ち“適職に こだわりすぎて まだ無職”。これはビジネスに関わる川柳の投稿欄のある新聞に掲載された。このことの意味は,選者の認識と一致し,新聞紙上に掲載しても共感を得られよう,との総合的判断が下された結果だと思う。要は,適職にこだわっていつまでも無職でいたら,そのことの方が余程問題だという警句であり,失礼ながら皮肉でもある。つまり,こういう形で適職とは何かを考える一石を投じたかったわけである。そもそも適職とは何かと大上段から振りかざすより,遥かに親しみをもって,容易に適職って何だろうと考えていただけると愚考した訳である。ことほどさように,就職に関わる悩み上位10項目に,川柳で触れてみたのである。

 

4.   仕事の悩み上位10項目と対応する川柳

(上段,悩みの質問。上位から。下段,川柳)

(1)      適職と適性がわからない

「適職に こだわりすぎて まだ無職」

「適性も 生きているから 変化する」

(2)      仕事の探し方,選び方が分らない。

「仕事とは 探すのでなく 出会うもの」

(3)      応募書類の書き方を知りたい。

「ラブレター 書いて上達 応募書類」

(4)      これまでの経験を生かせる仕事を希望

「ヒカリモノ 示して語れ 経験は」

(5)      未経験の仕事にチャレンジしたい

「未知の道 人に求める 重装備」

(6)      企業の求める人材について知りたい

「人材像 企業の数と 同じだけ」

(7)      面接に自信がない

「面接と 書類づくりは 同じこと」

(8)      こだわりたい条件がある

「こだわりに 見合う条件 忘れるな」

(9)      人間関係に自信がない

「人づき合い 上手くいく頃 もう定年」

(10)   フリーターを卒業したい

「目標は 努力見合いで 遂げられる」

 

なおアンケートは,ある半年間144名に対し実施したものであり,その集計である。

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posted by wpa2 at 23:23| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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