2008年02月10日

第1回教養講座:今学校で何が起きているか?(要旨)

今学校で何が起きているか?(要旨)

江戸川大学社会学部人間心理学科柴田良一(73一文)

 T 不登校問題
1、文部科学省の学校基本調査
昭和41年「学校嫌い」として開始、平成10年{不登校」に変更した。欠席日数については、当初は50日、30日を追加したが、実態を把握するにはなお不十分
2、文科省の施策の変化
(1)従来は問題行動としていたが、平成11年「どの子にもおこり得るもの、であり問題行動でない」と認識を変更
(2)平成7年スクールカウンセラーの導入し、学校内組織を改善した。その成果として不登校児童生徒数は近年減少傾向にあると認識している。
3、学校現場の対応
従来から生活指導が中心(怠学型・訓育)であるが、教育相談的対応の必要性が浸透し、教員のカウンセリングマインド研修が拡充されている。また専門機関との連携(教育相談室)を図っているがなお不十分。適応指導教室と呼ばれる学校外の教育機関も多くの地区で設置されている。全中学校にスクールカウンセラーが配置されさらに拡充されている。教育委員会の不登校ゼロ対策など行政課題の中で比重が増している。親の登校に対する意識の変化への柔軟な対応が求められている。無気力型等の目に見えにくいタイプの増加と個別重視の対応が求められる。

U いじめ
1、従来定義を「 自分より弱いものに対して一方的に, 身体的・心理的な攻撃を継続的に加え, 相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお,起こった場所は学校の内外を問わないこととする。」と 文科省はしていたが、平成19年度に「一定の人間関係にある者から心理物理的攻撃による精神的苦痛」と見直した。その結果 いじめの発生学校数(認知件数)は増大している。
2、特徴と問題点
小学校では保護者からの訴えによって知ることも多く、いじめ問題の存在を学校側がいかに認知するかが課題である。非暴力型(言葉での脅し・ひやかし・仲間はずれ等)のいじめ多さと、その発見の困難さについての対応の難しさがある。職員会議で共通理解を図っているが、なお校内連携については課題がある。

V特別支援教育
  背景としては、障害者の社会参加と自立やノーマリゼーション等の障害者観の変化。
また多様な背景(発達障害等)を持つ児童・生徒が増加し一部の児童生徒だけの問題でなくなっている。また障害の重複化・財政負担の軽減や障害者の高齢化という問題もある。
1、基本的考え方
特殊教育から特別支援教育と体制や考え方を変化させた。)一人一人のニーズに合った教育(カウンセリングマインド)の考え方を徹底させるとしている。増加する軽度発達障害(LD,ADHD、高機能自閉症)への対応を重視しているとともに、関連する問題行動への対応もするとしている。
2、特徴と課題
いわゆる軽度発達障害(LD,ADHD,高能自閉症(アスペルガー障害等)に対する対応の改善が目的としてあるが、教育施設の地域的偏在や、教員配置・マンパワーの不足・教員の資質向上・専門機関の不足・校内連携の問題(スクールカウンセラーの能力不足等)など解決すべき課題がある。

W まとめ
子供や家庭の教育力・教師の資質・学校及び教師に対する意識・校内組織風土等の変化に如何に対応するか。また生活指導・教育相談体制からスクールカウンセラー体制への変化をどう評価するか。生徒間・学校間の競争原理が拡がる中でどう対応するかが問われている。
 

ラベル:講座
posted by wpa2 at 20:45| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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