2015年04月30日

第18回 早稲田大学心理学会 教養講座

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第18回 早稲田大学心理学会 教養講座
スクール・ソーシャルワーカーの仕事
〜相談事例を通して〜
中村玲子氏
帝京平成大学 健康メディカル学部 臨床心理学科 講師
2015年5月23日(土)10時〜12時
早稲田大学・戸山キャンパス39号館・6階・第7会議室
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2015年04月12日

早稲田大学心理学会 特別セミナー2015年4月

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早稲田大学心理学会 特別セミナー
なるほど!の就活
〜"ありきたり"の先へ〜
−面接・履歴書中心の実習とQ&A−
講師:小林源氏(産業カウンセラー)

2015年4月25日(土)14時〜16時(13時30分開場) 
早稲田大学・戸山キャンパス・39号館・5階・第5会議室

長年人事に携わった講師が実践的なワークショップを行います。参加してこそのワークショップで、就活に迷う参加者が自覚的に就活できるよう、つまり各自が有効な対策を練り上げられるようにすることを目的にしています。双方向性の書き込みシートを用いて自己を知る実践的なワークショップでもあります。30名先着順です。2週間後の同時間帯にフォローアップを行います。

◆アクセス◆
・東京メトロ東西線・早稲田駅より、徒歩約3分。
・JR山手線・高田馬場駅から都営バス早大正門行き乗車、馬場下で下車、徒歩1分。
◆問合せ先◆
早稲田大学心理学会 http://www.waseda.jp/assoc-wpa/

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2014年11月18日

からだでこころをマネジメントする:身体心理学の理論と実践

日時:12月6日(土)13:00 -15:00(12:15開場)
会場:早稲田大学戸山キャンパス34号館4階453教室
講師:湯川進太郎氏(筑波大学准教授)
演題:からだでこころをマネジメントする:身体心理学の理論と実践

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ラベル:講座
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2014年06月03日

目からウロコの睡眠学〜ホットミルクから金縛りまで〜(2014)

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講演の要旨はこちら

2014年度 早稲田大学心理学会 公開講演会

目からウロコの睡眠学〜ホットミルクから金縛りまで〜

江戸川大学 社会学部人間心理学科 教授 福田一彦氏

日 時| 2014年6月28日(土)15:00〜17:00 開場14:30

会 場| 早稲田大学戸山キャンパス 33号館 3階 第1会議室


睡眠は誰もが体験する現象であるため、ひととおりの知識はあると考える人が多い。しかし、睡眠は脳内の複数の機構が関与する複雑な現象であり、理解は意外に難しく、事実と「常識」とがかけ離れている場合も多い。

また、日本人の睡眠は世界的に見て非常に悪い状態にあるため、現象に対する関心も高いが、一方で都市伝説的なデマも数多く信じられている。

これらの誤った知識を正し、健康な睡眠をとるお手伝いができればと考えている。


◆懇親会◆ ル・カフェ・レトロ  戸山キャンパス正門向い(穴八幡並び)http://r.gnavi.co.jp/gcd0300/map/      

17:30 - 19:30 (受付 17:15より) 料金:・事前申込 4000円(税込) ・当日申込 4300円(税込)

◆アクセス ◆

|東京メトロ東西線・早稲田駅より、徒歩約5分

JR山手線・高田馬場駅から都営バス早大正門行き乗車、

馬場下バス停下車 徒歩約3分

◆問合せ先 ◆

早稲田大学心理学会

TEL: 03-5286-3743 FAX: 03-5286-3759 担当・石井康智

Email: waseda_shinri@yahoo.co.jp       担当・朝岡美好

ラベル:講演会
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2014年04月22日

障がい児を対象とした音楽療法 〜障がい児の適応行動形成に有効な音楽活動

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日時:5月14日(水)16:30 -18:00(16:00開場)
会場:早稲田大学文学学術院 39号館5階第5会議室
講師:押山千秋(音楽療法士)
演題:「障がい児を対象とした音楽療法 〜障がい児の適応行動形成に有効な音楽活動〜」
ラベル:講座
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2013年07月18日

第15回 早稲田大学心理学会 教養講座:占い師と相談者のコミュニケーション(要旨)

教養講座 要旨
第15回教養講座
2013年5月25日

占い師と相談者のコミュニケーション
〜"未来"はいかに生み出されるか〜
淑徳大学総合福祉学部教授 大橋靖史

心理学における想起と予期の研究
 心理学では、人間が体験した過去についての研究は、記憶や学習の領域において、これから体験するかもしれない未来についての研究は、動機づけや目標・プランの領域において、それぞれ進められてきた。これらの研究では、過去や未来を個人の内的心理過程と捉え、記銘−保持−再生という記憶モデルや、プランの作成−プランの実行というモデルに基づき、その因果関係を明らかにすることを目指してきた。
 しかしながら、心理学的な過去や未来という現象を捉えたとき、そうした因果関係を追究する研究から明らかになることは過去や未来の一側面に過ぎない。既に過ぎ去ったことであり「今はもうない」といった過去の過去らしさ(過去性)や「今はまだない」といった未来の未来らしさ(未来性)といった時間の重要な性質は、因果関係に基づく研究とは異なる研究方法により探究されることが必要である。
 過去性や未来性に関する心理学的探究の方法は、大森荘蔵の哲学にそのヒントを見出すことができる(大森, 1992)。大森によれば、過去性の意味は、想起体験で想起される過去形の経験の中に埋め込まれているのであり、言葉になり過去形の経験になることがすなわち想起である。そして、想起される事柄に過去相貌があるように、予期されたり計画されたりする事柄には未来相貌があり、それが未来性である。そう考えるならば、過去が過去形の経験として立ち現れてくる場や未来が未来形の経験として立ち現れてくる場について探究することが、心理学的な過去や未来の性質を明らかにすることになる(大橋, 2004)。

想起や予期が立ち現れる具体的な場
 過去の体験の真実性が問題となる場としては、警察での取調べや法廷での供述の場がある。尋問の場では、被疑者・被告人や目撃者の体験証言の信用性が問題となる。とりわけ、冤罪が疑われる事件においては、被疑者・被告人の虚偽自白や目撃者の虚偽証言の有無が裁判にとって重要な意味を持つ。供述の生成プロセスに焦点をあて、体験証言の信用性を明らかにする心理学的分析に、浜田寿美男による供述分析(浜田, 1992)や大橋らによるコミュニケーション分析(大橋・森・高木・松島, 2002)がある。これらの分析では、犯行体験や目撃体験といった過去の事実が尋問者と被尋問者との間で確定されていく様子を具体的に明らかにしてきた。そこでは、記憶研究のように過去の体験を体験者の内的記憶表象としてではなく、むしろ、尋問者と被尋問者との間で生み出されていく動的なプロセスの産物として捉えていた。
こうした研究パラダイムは、今はまだない未来に対しても適用することが可能である。人と人との間で未来が生み出されていく動的なプロセスを明らかにする研究である。例えば、占いという行為はこれまで、占われた内容が未来において実際に生じるか否かといった因果関係の真偽が問題とされてきたが、この研究パラダイムによれば、占い師と相談者との間で相談者の未来が紡ぎだされていく動的なプロセスが研究の対象となる。占われた内容と未来の「事実」の因果関係究明を目指す限りにおいて、心理学は占いに対し懐疑的な立場をとらざるを得ないかもしれないが、そのことにより、占いという行為が本来持つ重要な側面、すなわち、占い師という他者と相談者との間から、相談者の未来が生成されていく興味深い現象に目が向けられてこなかった。

占い師と相談者のやり取りの特徴
 ここでは占いを未来−現在−過去について語り合う社会的相互作用の場として捉え、占い師と相談者との間でかわされる言語的・非言語的なやり取りをディスコース心理学において使われる談話分析や会話分析の手法を用い分析した。こうした分析により、未来や過去が生成されるプロセスにみられる語りの定式化や会話の進展に伴うコミュニケーションのトラブル管理の特徴が明らかにされる。
 30ケースの手相占いを録音・録画した後、言語的なやり取りをプロトコルデータに書き起こし、特徴的な動作と合わせ、談話分析や会話分析の手法を用い分析した。その結果、以下のようなことが明らかになった。@占いの場における占い師と相談者の関係は、医療の場における医師と患者の関係と同様、占い師がその専門性や権威を相談者に対し言語的・非言語的に呈示し、一方、相談者は占い師に自らの手のひらを委ねる関係にあった。例えば、手のひらを見る際に、占い師は、指示棒や虫眼鏡といったアイテムを利用していたが、それは医師が用いる聴診器やその他の医療機器と同様、社会文化的役割を果たしていた。A一つのトピックに関する占い師と相談者のやり取りでは、最後に占い師が「その内容は手のひらに現れている」といったように、語られた内容を最終的に手相に帰属させる語りの定式化が見られた。例えば、将来の仕事について相談者が占い師に相談する一連のやり取りがなされた後に、占い師はそれまでの内容をまとめながら相談者の手のひらを指示棒で指示し「この線がまさにそのことを示している」と、相談者自身が語ったことも含め、手のひらの線にその根拠を帰属させる語りを行っていた。B占い師は相談者の過去や未来について始めは漠然とした内容を述べることが多く、相談者がその内容を肯定すると、次第に語る内容を特定化していく傾向が見られた。すなわち、当初は漠然としたあるいは一般的な内容の陳述が相談者に否定されないと次第にグレードアップしていた。C占い師は相談者の未来について言及する際に、未来形の時制ではなく、現在形を用いた語り方をする場合があり、その際、現在形を用い確定的に語った後に、「本当かどうかわかりませんけどね」といった不確定性を示唆する陳述をやや小声の早口で付加する語りが見られた。これは、本来不確実な未来を確定的に語りながら、且つ、占いがはずれるといった未来の反証可能性を予め排除する定式化と見なすことができる。
 このように、手相占いという場において、相談者の過去や未来が占い師と相談者のやり取りの中でどのように立ち現れてくるか、その特徴が明らかになってきた。こうした特徴は、占い場面における相談者の過去や未来は、相談者自身の内的心理現象にとどまるものではなく、むしろ、占い師と相談者の協同的な活動から生み出されていく現象であることを示している。

さいごに
今回紹介した研究は、心理学においてこれまで人間の内的心理現象として捉えられてきた諸現象を社会的な相互作用行為として捉え直すことができる、もしくは捉え直す必要があることを示唆している。また、占いという場における占い師と相談者のやり取りの軌跡を分析することにより、過去や未来が生成されて行く様子を研究者が直接的に観察することが可能となった。こうした研究方法をとることにより、未来や運命の偶然性や即興性といった、従来の心理学研究では扱うことが困難であった現象を実証的に研究する道が開かれていくことになる。

[引用文献]
浜田寿美男 (1992). 自白の研究 三一書房
大橋靖史 (2004). 行為としての時間 −生成の心理学へ− 新曜社
大橋靖史・森直久・高木光太郎・松島恵介 (2002). 心理学者、裁判と出会う 北大路書房
大森荘蔵 (1992). 時間と自我 青土社

ラベル:講座要旨 講座
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2013年05月30日

2013年講演会ポスターと懇親会

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ポスター内容を一部改訂しました(6月1日)

2013年度 早稲田大学心理学会 公開シンポジウム
プロダクティブ・エイジング
〜 2040年 高齢者4割の社会を考える 〜
 

キーノートスピーチ  谷口 幸一  (東海大学健康科学部教授)
指定討論      所 正文 (立正大学心理学部教授)
司  会    石井 康智   (早稲田大学文学学術院教授)
日  時     2013年6月22日(土)
               15:00〜17:00 (開場 14:30)
会  場     早稲田大学文学学術院・戸山キャンパス
               34号館 4階・453教室

私達はみな長生きをしたいと思っているが、老人にはなりたがりません。
実際に“老いる”とはどういうことなのだろうか?
エイジングとは年月を重ねることであるが、上手に歳を重ねるには、どのような心構えや準備が必要なのだろうか?
若者と高齢者は同じ社会に暮らしているが、お互いの世代がそれぞれの能力や限界を正しく理解しているだろうか?
クイズ形式の問答を挟みながら、基礎的な知識や実情を学び、20歳代の皆さんが50歳前後となる2040年の日本の社会のあり方、その時代のむかえ方をディスカッションしたい。

PART1
老人のイメージは?
有能な vs. 無能な
暇そう vs. 忙しそう
灰色 vs. バラ色
強情な vs. 素直な
憎らしい vs. 愛らしい
内向的 vs. 外交的

PART2
実際の高齢者は?
運動能力
記憶力
パーソナリティ
知能
解決能力
活動能力

PART3
超高齢社会とは?
人口問題
家族問題
社会関係
社会保障

アクセス
東京メトロ東西線 早稲田駅より 徒歩約5分
JR山手線 高田馬場駅から都営バス早大正門行きに乗り 
馬場下で下車、徒歩約2分

懇 親 会
日時   2013年6月22日(土)17時30分〜19時30分
参加費  事前申込4200円 当日申込4500円
場所    フェニックス(戸山キャンパス 正門脇 フェニックスビル2階)

問合せ先
早稲田大学心理学会
電話 03-5286-3743  FAX 03-5286-3759 担当 石井康智
メール
waseda_shinri@yahoo.co.jp        担当 朝岡美好
URL 
http://www.waseda.jp/assoc-wpa/

ラベル:講演会 おしらせ
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2013年05月14日

第15回 早稲田大学心理学会 教養講座:占い師と相談者のコミュニケーション


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第15回 早稲田大学心理学会 教養講座
占い師と相談者のコミュニケーション 
〜"未来"はいかに生み出されるか?〜
淑徳大学総合福祉学部教授   大橋靖史氏

"未来"は心理学の研究対象として扱いにくい。なぜなら"過去"や"現在"には事実があるのに対し、"未来"は未だないものだからである。そこで動機やプランといった内的心理状態を想定しこれまで研究がなされてきた。これに対し今回は新たな視点から"未来"への接近を試みる。占いの場を"未来"が生み出される行為の現場として捉え、占い師と相談者のやり取りの中からいかに"未来"が生み出されていくかを、質的研究の一つであるディスコース心理学の立場から明らかにしていきたい。
日 時:2013年5月25日(土)16時00分〜18時00分(15時30分開場)
場 所:早大 戸山キャンパス 新研究棟(33号館)5階531教室

◆アクセス◆
東京メトロ東西線・早稲田駅より、徒歩約5分。
JR山手線・高田馬場駅から都営バス早大正門行き乗車、
馬場下で下車、徒歩約3分。
◆問合せ先◆ 
早稲田大学心理学会
http://www.waseda.jp/assoc-wpa/
電話:03-5286-3743  FAX:03-5286-3759 担当・石井康智
メール:waseda_shinri@yahoo.co.jp    担当・朝岡美好

ラベル:講座
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2013年02月20日

第14回教養講座:笑いと健康 − 笑いの社会健康的意義と日常的実践 −(要旨)

笑いと健康 − 笑いの社会健康的意義と日常的実践 −
目白大学講師 野澤孝司
笑いヨガティーチャー 高橋カレン
2012年10月27日(土)

笑いと身体的健康
 笑いは古くから「笑いは百薬の長」、「笑いに勝る良薬なし」などとも言われ、日常的な健康と何らかの関係があることが示唆されてきた。実際の笑いと体の健康との関わりについての報告の始まりは、1970年代の米国のジャーナリスト、ノーマン・カズンズの体験的報告が最初である。カズンズは、自らの疾患(硬直性脊髄炎)を、毎日のコメディー鑑賞による笑いとビタミンCの摂取によって完治させ、医学誌に載せた体験報告が当時の社会的注目を浴びた。その後、1990年代に精神神経免疫学(PNI:Psycho- Neuro- Immunology)が誕生すると、笑いをはじめ、音楽鑑賞やアロマセラピーといった精神的な活動によって、身体的な防御機構である免疫系が活性化することが報告され始めた。笑い行動に関しては、落語やコメディー鑑賞の前後で、体内の癌細胞を攻撃するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)や抗体反応(免疫グロブリン)などの活性が確認されている。
 笑いによるストレスホルモンの減少や血糖値上昇の低減効果、血圧値の低下などといった他の身体生理的指標を用いた生理的・身体的効果の報告がいくつかあるにも関わらず、そういった笑いとの関連研究はいまだ非常に数が少なく、一貫性がないことも報告されているという点で、いまだ科学的・学術的な俎上に上がっているとは言い難い。

笑いと精神的健康
 笑いやユーモアといった快活なプラス感情や行動は一般に、精神的ストレスやネガティブな感情状態が少なく健康で長生きをするというように思われてきた。しかし、1920年代にアメリカで行われた1000人規模の縦断研究では、幼少時に快活であると評価された人ほど早死にであることが示されている。これは快活で楽天的な人ほど健康上のリスクに無頓着で、かえって不健康になりやすく死亡率も高くなると解釈されている。笑いやユーモアのセンスに優れた外向的な人も同様に、内向的な人に比べて肥満や喫煙などに関しては不摂生で、死亡リスクの高い疾患に罹りやすいという報告もある。
 こうした逆説的な研究報告がある一方で、ドイツ語の諺「ユーモアとは「にもかかわらず」笑うこと」に表現されているように、笑いの心理的効用は、人にポジィティブで積極的な態度をもたらし、精神的な回復力を強め、リラックスして不安を取り除くことにより肉体的な苦痛をも和らげるなどといった多くの有用な側面を持っている。これは予防医学やホリスティック医学、そして最近のポジィティブ心理学的な視点にも通じる重要な心理的効果ともいえる。

笑いと社会的健康
 笑いはもともと個体間での社会的、感情的コミュニケーションの手段として進化したと言われている。笑いの社会実践的な活動として、クリニクラウン(病院等で患者の心の状態をサポートするための専門職)、笑いヨガ(後述)、笑い療法士(癒しの環境研究会が認定している医療・福祉現場での心理職)などといったものが日本では普及している。
 我々の研究プロジェクト(プロジェクトaH及びユーモアサイエンス学会)では、数年前から、笑いの呼吸反応を胸部の呼吸筋の筋電反応として測定する装置(笑い測定器)を開発し、笑いという感情反応を定量的・客観的に厳密に測定する研究を継続している。
 笑いの社会的特徴の1つに「情動伝染(感染)」という現象があり、おもちゃの「笑い袋」やテレビ番組の「ラフトラック(効果音)」に代表されるように、古くから笑いの感染効果は一般的にも利用されてきた。我々も、笑いの筋電測定とラフトラックを組み合わせた「笑い増幅器」という装置も開発し、笑いの社会的効果の応用研究も行っている。
 こうしたヒトの「笑い」行動の客観的で厳密な科学的研究が行われない限り、「笑い」という心理・生理的反応が本来どのような効能を持っているのか、現実の健康状態にどのような影響を与えるのかといったことについての真意は解明されず、メディアや一般の通説などが罷り通ることにつながる。これでは、せっかくの健康的な態度や行動も、単なる「健康ブーム」や「笑いと健康ブーム」などという一時的な流行として終わってしまう事になる。

笑いヨガ
 最後に、社会的笑いの実践活動の具体例として、日本で最近活動が盛んに行われている「笑いヨガ」を挙げたい。笑いヨガとは、1995年にインドのカタリア医師などが始めた笑いの体操とヨガの呼吸法を合体させて、多くの人が集まって行う一種の笑いを用いたエクササイズのことである。笑いヨガの特徴としては、笑いを誘発するジョークやユーモアなどの刺激は一切不要で、何も面白くなくても手軽に笑えるとてもユニークな健康法の1つである。また、皆が一緒になって笑いあうということで、笑いの感染機能を効果的に利用し、可笑しさの感情も自然と湧いてきて一層無理なく笑える状況を作りだせるようになっている。具体的な笑いヨガのやり方は、「手拍子」「深呼吸」「笑いの体操」「リラクセーション」等のシンプルな行動手続きの組み合わせから構成され、笑いヨガリーダーと呼ばれる体操の指示や音頭をとったりする指導者の下に行われる。
 現在では笑いヨガの活動は、全世界70か国以上の国々に普及し、日本でも各地で笑いヨガクラブとしての活動が盛んに行われている。日本には古くからラジオ体操という実践的な体操習慣の歴史もあるせいか、早朝に地域の住民が集いあって笑いのエクササイズを行うという一種の社会実践的な笑いの活動は、最近では多くの地域に浸透してきている。
 講演最後には、笑いヨガのインストラクターの高橋カレンさんに説明を交えながら笑いヨガを実演してもらい、会場の参加者の方にも笑いヨガの体験をしていただいた。

 
ラベル:講座要旨 講座
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2013年01月31日

第13回教養講座:なぜ構造構成主義は復興支援活動に役立ったのか?(要旨)

第13回教養講座:「なぜ構造構成主義は復興支援活動に役立ったのか?
−ふんばろう東日本支援プロジェクトの活動を通して−
 西條剛央(早稲田大学大学院商学研究科MBA専任講師)
2012年 5月19日

1.構造構成主義とは何か
総合領域としての人間科学が、異なる領域のあいだの不毛な信念対立を解消し、建設的なコラボレーションを生み出すため「原理」(メタ理論)として考え出されたのが、構造構成主義です。これは新しいICチップみたいなもので、いろいろな学問領域に組み込んで役立てることが出来ます。2005年に「構造構成主義とは何か 次世代人間科学の原理」(北大路書房)を上梓しました。「現代のエスプリ」に特集されたり、毎号テーマを決めて「構造構成主義研究」という冊子を出したりしています。震災前までは「そこそこ学問の世界に広がっていけばいいな。あまり有名になり過ぎると面倒くさい」ぐらいに思っていました。

2.ふんばろう東日本支援プロジェクトとは?
それが震災の現場に行ってみて、被害もすごいんですけども、システム上の問題で物資が届かないとか、届いても公平主義で数が合わないと配らないというのを目の当たりにし、震災をキッカケに日本の社会が抱えていた不合理が一気に表れてきたと痛感しました。そこでツイッター、ホームページ、フェイスブックを利用して活動をはじめ、3千カ所以上に物資を届けたり、アマゾンから3万個以上の物を送ったり、行政が集めたまま配られていない物資を10tトラックで40台分くらい運んだり、家電を2万5千世帯以上に送ったりしました。

3.方法とは何か
ここで紹介したいのは「方法の原理」ということです。方法というのは@特定の状況で、A特定の目的を達成するための手段なんです。そのことに例外はない。例外がないということは原理的なことです。であれば絶対的な正しい方法がどこかに転がっているわけではなくて、その都度、@状況に応じ、A目的を達成するために有効な方法を見つけるか、作れば良い。

4.正しさから有効性へのシフトチェンジ
「正しい」と言ったとき、その中には暗黙裡に絶対性が折り込まれています。「あなたは間違っている」と言われると、本当はそうだとしても、心が傷ついてしまい、認めがたい。そうではなくて「方法の有効性」の方にシフトすれば議論もスムーズに進めやすくなる。現在は変化のスピードが速い時代なので前例を踏襲していては満足に機能しない。その都度新しい方法を見つけることが有効です。個々の知識以上に方法の使い方の知識が大切になります。

5.信念対立
関心が強いと信念対立が起きやすい。微細な差に敏感になり、ちょっとした違いが許せなくなる。組織というのは「心」を持った人間の集まりなので、話しても余計ケンカになってしまうこともあります。「話せば分かる」とは限らない。合わない人とは付き合わないというのも一つの知恵ですが、チームで何かをするとなると、そうも言っていられません。
ボランティアというのは誰でも「自分は正しいことをやっている」と思っているので、相手と対立すると、「自分は正しい、だから相手が間違っている」と思ってしまいがちです。

6.関心相関性と契機相関性
「水溜まり」もふつうは邪魔なだけだが、砂漠では大切なものになります。様々な存在・意味・価値は、身体・欲望・目的・関心に応じて規定されます。存在と認識は切り離せないものです。自分が「当り前だ」と考えていることも他の人から見たら、当たり前ではないのです。
自分の関心は体験(契機)から自然に形作られるので盲点になりやすい。さらに関心に応じて価値が表れるのでいっそう見えにくくなります。@体験(契機)→A関心→B価値といった順に作られるので、B価値判断で対立した場合、→A関心→@体験(契機)と遡る思考法がないと、信念対立から抜け出せなくなります。自分の価値判断の元になった体験や関心を忘れがちになります。

7.感謝することの大切さ
ボランティア活動を一年間やって来て、「感謝すること」の大きさを痛感しています。感謝の反対は何かというと「当たり前」なんですね。感謝というのは自分も相手も同時に肯定することです。生命は肯定されたがっている。一生懸命やっているのに否定されると傷つく。傷つけられた悲しみが、怒りとして表わされる。まず相手を肯定することからスタートする。
自他の関心のズレを自覚し、相互に了解可能なメタ関心(共通目的)を共有する。共通目的に照らし、どちらの関心が妥当か問い合う。こういう考え方はテーマを問わず、いろいろな分野で役に立てることが出来ると思います。

 
ラベル:講座要旨 講座
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